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2026/1/29
【注文住宅の住宅ローン】頭金なしでも建てられる?フルローンのメリット・デメリット、頭金ありとの違いを解説
「頭金を用意してからじゃないと注文住宅を建てるのは難しい」と考えている方も多いでしょう。結論からいえば、頭金なしでマイホームを建てることは不可能ではありません。低金利時代が長く続いてきたため、あえて手元に現金を残してローンを組むというのも一つの選択肢でした。
しかし、頭金なしの「フルローン」には、あらかじめ知っておくべきリスクもあります。頭金なしで家づくりをするなら、そうしたリスクを十分に理解しておかなければなりません。
この記事では、頭金なしで家を建てるメリット・デメリットから、具体的な返済シミュレーション、審査対策まで詳しく解説します。「金利のある世界」が戻ってきたといわれる中で、今後住宅ローンを組む方はぜひ参考にしてください。
注文住宅は頭金なしでも購入可能?「フルローン」の基礎知識
物件価格の1〜2割程度の頭金を用意するというのが、家づくりでよくいわれる原則です。とはいえ、実際の頭金の額は場合によって異なり、中には頭金なしのフルローンで購入するケースも見られます。まずは、フルローンの仕組みと現状について見ていきましょう。
物件価格の全額を借り入れる「フルローン」とは
フルローンとは、土地や建物の購入費用の全額を金融機関から借り入れる方法です。頭金として現金を支払わず、借入金だけを元手にマイホームを購入します。かつてはリスク管理の観点から、融資額は物件価格の8〜9割程度というのが一般的でした。しかし、長らく続いた低金利政策や金融機関の競争激化により、物件価格の100%を融資するケースが増加。頭金が貯まるのを待たず、欲しいタイミングでマイホームを購入できるようになったのです。
もちろん、誰でも無条件で借りられるわけではなく、年収や勤務先、信用情報などに基づいた審査を通過しなければなりません。
頭金なしは住宅ローン利用者の3割以上
実は、データを見ると「頭金なし」は決して少数派ではありません。三井住友トラスト・資産のミライ研究所の調査(※)によると、2021〜2024年に住宅ローンを借り入れた人のうち、実に3割以上が「頭金ゼロ」と回答しています。およそ3人に1人が頭金なしでローンを組んでいることになります。特に若い世代では、年収は安定していても十分な貯蓄ができていないケースも少なくありません。賃貸で家賃を払い続けるより、低金利で住宅ローンを借り入れて持ち家に住み、手元の現金で資産形成をしようと考える方が増えているのでしょう。
※出典 三井住友トラスト・資産のミライ研究所「“貯蓄はあるけど、頭金ゼロ”という選択」
頭金なしでも準備が必要な「諸費用」
注意が必要なのは、頭金なしだからといって、現金を一切支払わずに家が建つわけではないということ。住宅購入には、土地・建物代金以外にも印紙税、登記費用、ローン保証料、火災保険料などの諸費用がかかります。さらに引越し費用や家具・家電の購入費も必要です。諸費用まで借り入れできるローンもありますが、すべての費用はカバーできません。また、売買契約時に支払う手付金は、原則として現金で用意する必要があります。
諸費用の相場は物件価格の5〜10%程度のため、フルローンで購入する場合でも、最低100万〜300万円程度(諸費用ローンを使わない場合)の手出しは発生するでしょう。
頭金なし(フルローン)で注文住宅を建てる3つのメリット
なぜ頭金なしで家を建てる方が少なくないのでしょうか。ここでは、頭金なしで注文住宅を建てる3つのメリットを紹介します。
(1)手元に現金を残せる
頭金なしの一番のメリットは、現金を手元に残せることです。車や家電の買い替え、病気や突然の減収など、急ぎでお金が必要になる場面は多々あります。貯金のほとんどを頭金で使い切ってしまうと、こうした予期せぬ事態に対応できなくなるリスクがあります。手元に十分な現金が残っていれば、いざという時に対応できるため、心の余裕も生まれるでしょう。
(2)早めの購入で金利上昇に備えられる
貯金している間に「買い時」を逃さずに済むというのも、頭金なしでの住宅購入のメリットです。歴史的な超低金利状態が続いてきましたが、2025年以降、金利の上昇傾向が見られます。日本銀行はさらなる利上げの方針も示しており、今後さらに金利が上がっていく可能性も十分あります。頭金を貯めている間に金利が上昇すれば、せっかく借入金額を抑えても、利息の負担増で相殺されるどころか、総返済額が増えてしまうおそれもあるのです。
建築資材や地価の高騰も続いているため、欲しいと思った今のタイミングで購入できることは、大きなメリットになり得ます。
(3)現金を資産形成に回せる
手元に残した現金を資産形成に充てられるのも、頭金なしのメリットといえます。例えば、手元の現金をNISAやiDeCoなどの投資に回せば、低金利の住宅ローンよりも高い利回りで運用できる可能性があります。手元の現金を頭金にするより、低金利でローンを借り入れて、現金は投資に回して増やすほうが、資産全体で見てプラスになるケースがあるのです。
「借金は良くないもの」と考えがちですが、上手に活用すれば、資産形成の効率を高めてくれるでしょう。
頭金なし(フルローン)のデメリットと知っておくべきリスク
上記のようなメリットがある頭金なしでの住宅購入ですが、もちろん気をつけなければならないデメリットやリスクもあります。次の3つのポイントをしっかり理解したうえで、リスクを許容できる方のみフルローンを検討しましょう。
毎月の返済額と利息負担が大きくなる
頭金なしの場合、頭金を入れるのに比べて借入金額が増えるため、毎月の返済額や完済までの利息総額も大きくなります。借入額や金利によって、頭金を入れた場合より、月々の返済額が数千〜数万円高くなることも。35年返済する場合で考えれば、利息分だけで数百万円の差が出るケースもあります。教育費がかさんだり収入が下がったりすると、この負担の差が重くのしかかるおそれもあるでしょう。
「オーバーローン」になりやすい
フルローンの場合、物件価値以上の借り入れがある「オーバーローン」になりやすいのもリスクです。新築住宅は一度登記されれば中古となり、価格は新築時より下落します。もし転勤や住み替えなどで売却が必要になった際、売却価格よりローンの残債が多ければ、家を売っても借金を返済しきれません。通常、自宅売却はローン完済が条件となるため、差額を現金で一括返済できなければ、家を売ることさえできないでしょう。
フルローンだと、購入直後はほぼ自動的にオーバーローンになるため、購入からしばらくは売りたくても売れない可能性が高くなります。
高い融資率による適用金利の上昇
住宅ローンの種類によっては、頭金の有無で金利が変わることがあります。代表的なのがフラット35です。フラット35では、頭金が購入価格の1割未満の場合、頭金1割以上の場合より高い金利が設定されます。わずかな金利差でも、住宅ローンの借入額は数千万円単位のため、返済額に大きな差が生まれるでしょう。
民間金融機関の商品でも、頭金の割合によって優遇金利が設定されるケースがあります。頭金なしだと金利が高くなりやすいというのは、覚悟しておきたいところです。
シミュレーション比較:「頭金なしで今すぐ購入」vs「5年貯めてから購入」
「頭金なしで今すぐ購入」するのと、「賃貸に住みながら5年間頭金を貯めてから購入」するケースではどちらがお得なのでしょうか。ここでは、それぞれの支出をシミュレーションしたうえで比較します。
(参考)フラット35「ローンシミュレーション|借入希望金額から返済額を計算」
【パターンA】頭金なし・4,000万円借入で今すぐ購入
頭金なしで今すぐ家を購入するケースを考えてみましょう。家の価格は4,000万円、諸費用は考慮しないものとします。
| ⚫︎借入額:4,000万円 ⚫︎金利:1.5%(全期間固定) ⚫︎返済期間:35年 |
この条件で試算すると、毎月返済額は約12.3万円。35年間の総返済額は約5,144万円です。つまり、35年間で約1,144万円の利息を支払うことになります。
【パターンB】5年間で頭金400万円を貯めてから購入
次に、賃貸に住みながら毎月貯金し、5年後に頭金400万円(物件価格の1割)を入れて購入するケースを考えてみましょう。金利は上昇傾向にあるものとし、5年後には、金利が現在よりも0.5%上昇していると仮定します。
| ⚫︎物件価格:4,000万円 ⚫︎頭金:400万円(借入額3,600万円) ⚫︎金利:1.8%(5年間で0.5%上昇、優遇金利により−0.2%) ⚫︎返済期間:35年 ⚫︎5年間の家賃総額:480万円(月額8万円) |
この場合、毎月返済額は約11.6万円、総返済額は約4,855万円。35年間の利息支払いは約855万円となり、ローン単体で見れば、いずれの負担もパターンAより軽くなります。
しかし、貯金している間の家賃負担も忘れてはなりません。徳島エリアのファミリー物件でよくある家賃8万円(管理費を含む)の物件なら、5年間で480万円を支払う必要があります。
2つのパターンの比較結果
パターンAとパターンBで費用総額を比べてみましょう。【パターンAの費用総額】
・合計:約5,145万円
【パターンBの費用総額】
・頭金:400万円
・ローン総返済額:約4,855万円
・家賃総額:480万円
・合計:約5,735万円
頭金を貯めるパターンBのほうが、費用総額は約590万円高くなりました。頭金を貯めて借入額を減らしても、その間の家賃がコストとしてかかってくるためです。これはあくまで試算に過ぎませんが、金利上昇のペースがさらに早ければ、頭金を入れる効果がいっそう薄れることもあるでしょう。
完済年齢の違いによる老後資金計画への影響
パターンAとパターンBでは、老後の資金計画にも大きな違いがあります。現在30歳だとすると、パターンAなら65歳で完済できる計算です。職場によっては、定年退職のタイミングで住居費の負担がなくなるため、老後の生活にゆとりが生まれます。一方、パターンBでは35歳で借り入れることになるため、完済時の年齢は70歳。定年後も5〜10年返済が続く計算となり、退職金や年金からの返済が必要になるなど、老後の家計負担が重くなる可能性もあります。
頭金なしの住宅ローン|審査に通るための対策
頭金なしのフルローンは、貸し出す金融機関にとってもリスクがあるため、頭金ありに比べて審査のハードルが上がる傾向にあります。希望どおりの融資を受けるには、次のポイントを意識しましょう。
「返済負担率」を低く抑える
ローン審査で重視される指標の一つが「返済負担率」です。返済負担率とは、年収に占める年間ローン返済額の割合のこと。多くの金融機関は「35%程度」を上限に設定しています。30〜35%以内に収まっていれば審査に通りやすくなりますが、数値が高いほど、返済負担は重くなりがちです。頭金なしの場合、頭金ありに比べて借入金額が大きくなるため、返済負担率も高くなる傾向にあります。
頭金なしで希望額を借り入れるには、予算などを調整し、返済負担率を安全圏とされる「20〜25%程度」に収めるとよいでしょう。
住宅ローン以外の債務を完済する
上述の返済負担率の計算には、自動車ローン、クレジットカードのリボ払い、スマホ端末代の分割払いといった、住宅ローン以外の返済額も含まれます。例えば月3万円の自動車ローンがあるだけで、借入可能額が数百万円減る可能性もあるのです。手元に資金があるなら、他のローンを優先的に返済することで、返済負担率が下がり審査に通りやすくなります。そもそも住宅ローンは、他のローンに比べて金利が低め。金利の高いローンを先に返済したほうが、トータルの利息支払いを抑えられるというわけです。
また、過去に滞納歴があると信用情報に記録されるため(いわゆるブラックリスト入り)、数年間はローン審査に通らないとされます。心配な場合は、事前に信用情報機関へ照会しておきましょう。
勤続年数や事業年数が3年程度経過してから申し込む
住宅ローンは数十年単位で返済し続けなければならないため、収入の安定性・継続性も審査の重要な判断項目となっています。一般的に勤続3年以上が望ましいとされ、転職直後は不利になりやすいとされます。自営業・フリーランスの場合、安定性が低いとみなされるため、条件はより厳しいのが実情。具体的には、直近3期分の決算書を提示するとともに、黒字で安定的に利益を上げていることが条件となるケースが多いようです。独立直後で十分な現金が手元にない場合、まずは実績を作る必要があるでしょう。
ペアローンや収入合算を検討する
夫婦どちらかの年収だけだと返済負担率が高くなりすぎる場合、夫婦二人で借り入れできるペアローンや収入合算を検討しましょう。夫婦二人分の年収で判断されるため、一人の名義で借り入れるよりも借入額を増やせます。ただし、ペアローンは二人それぞれが借り入れる形になるので、事務手数料が2倍かかるといったデメリットも。また、収入合算の場合、申込者ではない方が連帯保証人・連帯債務人にならなければいけません。どちらかの収入が減少したり、離婚したりするリスクも考えたうえで慎重に検討したいところです。
頭金なしでも安心して注文住宅を建てるためのポイント
頭金なしでも注文住宅は建てられますが、リスクがあるのも事実です。ここでは、頭金なしの借り入れによる負担やリスクをできるだけ軽減するため、契約前に確認しておくべきポイントを紹介します。
諸費用ローンと住宅ローンを一本化できる金融機関を選ぶ
諸費用もローンで賄えば、現金による手出しを抑えることができます。諸費用のみを借り入れる「諸費用ローン」もありますが、金利が高めに設定されているうえ、借入時の初期費用が余計にかかってしまうのがネックです。おすすめは、住宅ローンで諸費用分もまとめて借り入れる方法。住宅ローンにまとめることで金利を低く抑えられるほか、借入時の手続きや返済管理もシンプルにできます。一本化に対応している金融機関は限られるので、対応の可否をあらかじめチェックしておきましょう。
手付金分の現金は事前に準備しておく
フルローンでも、土地の売買契約時、手付金として現金が必要になることがあります。手付金は、売買契約が成立したことの証拠として、買主から売主に対して支払うもの。相場は土地価格の10%程度となっており、1,000万円の土地であれば100万円を現金で支払わなければなりません。最終的には購入代金の一部に充当されますが、融資実行前に支払わなければならないケースも多く、一時的な手出しが必要です。貯金の取り崩しや親からの援助などで早めに準備しておきましょう。
変動金利の場合は繰り上げ返済を検討する
フルローンで借入額が大きい場合、当初の金利負担を減らすため、変動金利を選ぶ方が多いでしょう。変動金利は当初の返済額を抑えられる反面、将来の金利上昇リスクを負わなければなりません。昨今のような金利上昇局面では、今後、返済額が増えることも考えられます。変動金利を選ぶ場合、金利が上昇する兆しが見えてきたら、繰り上げ返済で借入残高を減らすなどの対策を検討すべきです。余裕のある資金計画を立てて、いざという時の資金を確保しておくことが、金利上昇に対するリスクヘッジにつながります。
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頭金なしでの注文住宅購入は、手元に現金を残しつつ、欲しい時にすぐ家を手に入れられるのがメリットです。とはいえ、「毎月の返済負担が増える」「オーバーローンになりやすい」といった見逃せないリスクもあります。頭金なしの購入で後悔しないためには、メリットとリスクを慎重に比較検討し、無理のない返済計画と最適な金融機関を選ぶことが何よりも大切です。
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